ビットコインとは

ビットコインとは

ビットコイン(BTC)はサトシ・ナカモトと名乗る人物によって作られた仮想通貨の一種です。

Hint!

サトシ・ナカモトの正体は現在でも不明であり、国籍、性別、年齢はもちろん、実在する人物なのか、個人なのか組織なのか、一切明らかになっていません。

ビットコインは、数ある仮想通貨の中で時価総額が最も大きいことから、仮想通貨の王様的存在です。最新の仮想通貨の市場シェアは CoinMarketCap のサイトから確認できます。

仮想通貨の市場シェア
仮想通貨の市場シェア

ビットコインが誕生するきっかけとなった論文は「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」(ビットコイン:P2P 電子通貨システム)です。現行の電子決済システムでは、金融機関を経由することで決済が可能となっています。しかしビットコインでは、金融機関などの仲介役が存在せず、ユーザ(端末)同士で電子決済を可能としています。論文のタイトルにも書かれている Peer-to-Peer(P2P)とは、各端末が対等の立場でデータを交信するシステムのことです。そして、ビットコインが画期的だったのは、現行の決済システムとは異なり、仲介役となる管理者が不在でもシステムが成立することです。

クライアント・サーバ型モデルと P2P 型モデル
クライアント・サーバ型モデルと P2P 型モデル
Point!

ビットコインが画期的である点は、現行の電子決済システムとは異なり、金融機関などの仲介役となる管理者が不在でも、ユーザ(端末)間同士でシステムが成立すること。

ビットコインの価値

ビットコインが初めて登場したときは、誰からも価値が認められず、インターネット上のデジタル通貨に過ぎませんでした。しかし 2021 年時点では、数百万円の価値があります。

ビットコインのチャート
ビットコインのチャート

ビットコインが、ここまでの価値を持つようになったのは、デジタルなのに希少価値を持つ性質にあります。一般的に、デジタルコンテンツは自由にコピーできてしまうため、希少価値を保つことはできません。しかしビットコインは仕組み上、複製や偽造ができないため、希少価値のある資産として膨大な価値を持つようになりました。

ビットコインと法定通貨の違い

日本円や米ドルのような法定通貨の価値は、国家(政府)の信用性によって価値が決まります。ほぼすべての国では中央銀行を設置し、紙幣は中央銀行券として発行されます。例えば、日本では日本銀行、アメリカでは連邦準備委員(FRB)が自国通貨の発行母体となっています。

一方、ビットコインは中央銀行などの管理者が存在しないため、価値は中央機関の信用性などによって決まりません。ビットコインの価値は、完全に自由経済の原理によって決められています。つまり、需要と供給のバランスによってのみ価値が決まります。ビットコインが値上がりを続けているのは、需要に対して供給が追いついていないためだと言えます。

Point!

ビットコインの価値は、純粋に需要と供給のバランスによって決まる。

ビットコインの仕組み

ビットコインは、前述のとおり金融機関などの管理者が存在しません。そのため、ビットコインのシステムを構成するのは、大別してユーザ(お金をやり取りする人)マイナー(システムを処理する人)になります。

ユーザは、電子決済システムとしてビットコインを利用します。ユーザ間の取引は、リクエストを受けたマイナーによって処理されます。ユーザは、手数料をマイナーに対して支払い、決済手続きを行ってもらいます。また、ビットコインの取引を処理することをマイニング(採掘)と呼びます。

Point!

ビットコインのシステムを構成する参加者は、ユーザとマイナーに大別される。ビットコインの取引を処理することをマイニング(採掘)と呼ぶ。

ビットコインのプロトコル

ビットコインのシステムは、不特定多数の参加者から構成されるため、次のような取り決め(プロトコル)を定めています。

ユーザの取引記録を公開する

ビットコインは、パブリックチェーンと呼ばれるブロックチェーンのタイプを採用しているため、取引記録はすべて公開されます。ブロックチェーンとは、暗号技術によって過去からの取引履歴を一本の鎖のようにつなげ、正確な取引履歴を維持しようとする技術です。ブロックチェーンの詳細についてはブロックチェーンとはの記事を参照してください。

ビットコインの取引履歴は、すべてひとつの帳簿台帳にまとめられ、それが公開されます。ただし、ユーザの個人情報は暗号化された識別情報のみを記録するため、識別情報から個人を特定することはできません。識別情報はビットコインアドレスと呼ばれ、仮想通貨を送受金するためのアドレスになります。

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ビットコインアドレスの例

マイナーには報酬を与える

ビットコインの取引記録をすべて公開することで不正を監視することはできても、不正に対する罰則がないため防止することはできません。この課題に対しては、マイナーには報酬を与えることで不正を防止しています。つまり、不正な取引をするよりも、正常にシステムが稼働するように貢献した方が得をするというインセンティブを与えています。

システムに貢献したマイナーへの報酬は「ビットコインのシステムからの報酬」と「ユーザからの報酬」の2種類あります。ビットコインのシステムからの報酬は、定期的にマイニングでもっともシステムの処理に貢献したマイナーに新規のビットコインが与えられます。ユーザからの報酬は、取引処理の依頼を行った際に支払われる手数料が新規のビットコインで支払われます。

NiceHash でのマイニング
NiceHash でのマイニング
Point!

ビットコインのシステムは不特定多数の参加者から構成されるため、以下のルールがある。

  • ユーザと取引履歴をすべて公開して不正を監視している
  • システムに貢献したマイナーには報酬を与えて不正を防止している

マイニングとは

マイニング(採掘)とは、ビットコインの取引処理を行い、その報酬として新規のビットコインを獲得する一連の行為のことです。

ユーザがビットコインで取引をしたい場合、取引情報はマイナーに一斉送信されます。マイナーは取引情報をまとめてブロックチェーンの末尾にブロックを追加します。ただし、新規のブロックが作成できるのは、計算量の大きな問題を最初に解いたマイナーのみです。この仕組みを PoW(Proof of Work)と呼びます。

Hint!

ひとつの問題は、10 分程度で解けるように採掘難易度(ディフィカルティー)が設定されています。採掘難易度は、ビットコインが過剰に発行されてインフレを防ぐ目的で調整されます。採掘難易度は、2 週間に 1 度のペースで更新されます。

マイニングの報酬を受け取れるのは、最初に問題を解いて、もっとも早くブロックを作成したマイナーのみです。作成されたブロックの最初の取引には、ブロックを作成したマイナーに新規発行されたビットコインが送られた情報が記述されます。

発行上限と半減期

ビットコインは、発行上限が 2,100 万 BTC と定められています。さらに、およそ 4 年ごとにマイニングの報酬が半分になります。この時期のことを半減期と言います。

Hint!

半減期では、マイニング報酬が半分になるだけで、BTC の価値が半減するわけではありません。直近の半減期は 2020 年だったので、次回の半減期は 2024 年と予想できます。

ビットコインには、埋蔵量(発行枚数)に限りがあり、徐々に採掘が難しくなっていく特性が「金(ゴールド)」と似ていることから、ブロックの作成作業は「採掘(マイニング)」と呼ばれています。

ビットコインは、将来的にすべて発行され掘り尽くされることが分かっていますが、取引手数料の報酬は残るため、マイニング自体は継続されると考えられています。

51%攻撃

ビットコインは、マイナー同士の相互検証によって、取引の正当性を確保しています。しかし、もしも強力な演算能力を持つマイニング集団が現れ、システム全体の採掘速度の過半数を占めた場合、取引の改ざんや、報酬の占有が可能になります。これを51%攻撃と呼びます。現在、51%攻撃に対する有効な対策はありません。

特に改ざんについては、システムの破綻に繋がり、信頼性が低下します。もしもシステムの信頼性が低下した場合、ビットコイン自体の価値も下がります。

ただし、ビットコインのマイニング競争は日々激化しており、世界中のコンピュータがマイニングを行っている状況です。その状況下で、過半数を超える採掘速度を確保することは非常に高コストであるため、現実的には難しいとされています。

マイニングプール

近年、マイニングの計算量は加速度的に上がっており、個人レベルでのマイニング(ソロマイニング)はほぼ不可能であると言われています。そのため、大勢のマイナーで協力してマイニングを行うマイニングプールという仕組みが取られています。マイニングプールでは、全員が貢献度に応じて報酬を受け取ることができます。

代表的なマイニングプールの直近のシェアは以下のとおりです。

マイニングプールのシェア
マイニングプールのシェア

ビットコインでできること

ビットコインの主な使い道は、商品の購入や、サービスの利用、そして寄付などができます。どの実店舗で使用できるかは、以下のサイトから確認することができます。

また、ビットコインは、価格が変動するため投資、または投機の対象になります。ビットコインや他の仮想通貨のトレードは、ビットフライヤーやコインチェックなどの仮想通貨取引所から行えます。

ビットコインは、海外送金にも利用されます。金融機関を経由した海外送金は、多額の手数料、送金額の上限、送金完了までの待ち時間がネックになります。しかし、ビットコインの海外送金は、これらの問題をすべて解決します。ビットコインの口座(アドレス)さえあれば、世界中どこでも誰にでも、そしていつでも送金が可能です。

ビットコインの分岐

ビットコインには、ブロックチェーンの技術が使われていますが、ブロックチェーンはソフトウェアのルールを変更するときに意図的に分岐(フォーク)することが可能です。フォークにはハードフォークソフトフォークの2種類あります。

ハードフォークとは、フォーク前のソフトウェアと互換性がない、新しいブロックが作れるようになるルール変更のことです。一方、ソフトフォークとは、フォーク前のソフトウェアとも互換性がある、新しいブロックが作れるようになるルール変更のことです。

Point!

ブロックチェーンは、ソフトウェアのルール変更時に意図的に分岐(フォーク)することができる。フォークには「ハードフォーク」と「ソフトフォーク」の2種類がある。

  • ハードフォークは、フォーク前のソフトウェアと互換性がない
  • ソフトフォークは、フォーク前のソフトウェアと互換性がある

例えば、1ブロックに記載できる取引量を増量するようにルールを変更するというチェーンができたとします。変更後のルールに賛同するマイナーが、フォークしたチェーンを繋いでいきます。この状態が続くことで、ブロックチェーンが分岐します。ビットコインは、台帳によって存在の正当性が証明されるため、「ブロックチェーンの分岐」は「ビットコインの分裂」を意味します。

ブロックチェーンがフォークしても、それぞれの台帳に記録されている情報は正当なものとして扱われます。そのため、従来のルールであるブロックチェーンのビットコインと、新ルールであるブロックチェーンのビットコインの両方を保有することになります。

ただし、そのままでは混乱を招くため、新ルールの方には異なる名称を付けることで対処しています。例えば、2017 年に発生したビットコイン分裂の際には、従来ルールのビットコインに加えて、新ルールのビットコインに「ビットコインキャッシュ(BCH)」という名前を付けました。その際には、従来のビットコイン保有者に対して、同数のビットコインキャッシュが割り当てられました。

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